第6回 「もし生まれかわるなら…」開催報告(低学年チーム)
日時:2017年10月15日(日) 10:00頃~(45分間)
テーマ:「もし生まれかわるなら、男の子?女の子? それとも…?」
参加人数:13名
ファシリテーター:川上、重巣、小林
記録者:川上
※記録用に対話の一部を編集して作成しています
今回のテーマは、男の子/女の子っていう性別による違いを、 子どもたちがどんなふうに考えているのかを聞いてみたい、 というのが運営側の思いでした。
■「生まれかわりたい」なんて考える??
ただ、テーマに入る前に、6~9歳なんて生まれて間もないように(大人は思ってしまう) 子どもたちが「生まれかわりたい」 なんて考えたりするのでしょうか?
聞いてみると、「生まれかわりたいって考えたことがある」子どもがほとんど。
さっそく、驚きです。
では本題に。「生まれかわるなら、男の子? 女の子? どっち?」
すると、 参加していた3人の男の子は全員それ以外の選択肢は考えられない 、って勢いで「男の子」に手をあげます。
それぞれ理由を聞いてみます。
まず別の性別を選んだ女の子(女の子⇒男の子)は、
「体力が男の子のほうがやっぱり強いから」、
「サッカー選手になりたいから」。
「女の子⇒女の子」は、「子どもを産める」、「子育てができるから」。
「男の子⇒男の子」は、「断然男がいい!」といいながら、「 別の性別になったらどうやって暮らしてよいかわからない」、「 イジワルされたりしなくてすむ」など。
男性のファシリテーターが、「ぼくは女になりたい」 っと言ったら、もっとも驚いたのが男の子たち。「なんで?」 聞かれます。
「出産してみたいんだもの。 おなかの中に自分と違う人間がだんだん育っていく感じなんて味わ ってみたいじゃない」と言ったら、
「産むときすっごい痛いらしいよ」、「そんな痛いの、嫌だ」… 男の子たち、素直にしゃべります。
どうやら、彼らにとっての性別の違い=身体的な違い( 体力の有無・出産)ととらえているようですね。
■いまの性別で困ったことはある??
生まれかわりトークが一通り終わったので、 ちょっと別の問いかけをしてみました。
「男の子、女の子だったことで、なんか困ったことはある??」
すると、「べつにー」「とくになーい」の意見にまざって、
「男子にイジワルされてこまる」、「ぶたれたりする」など、 女の子から男の子への困りごとが。
「え、男の子ってそんなに女の子にイジワルしたりするの??」
これには、男の子も女の子もみな同意します。
「なんで女の子にイジワルしちゃうの??」
参加していた男の子に聞いてみます。
「なんか、イジワルしたくなる」、「 先になんかいろいろ言われるから」。
でもこうした性差のことを考えるときにとっても大切な言葉も出て きます。
「でも、すべての男子がいじわるするわけではないよ」
男の子=「いじわるする人」とは、断定できないってこと。
男の子の中にも、それぞれの違いや個性があるってこと、 きちんと認識しているようです。
■大人の男性と女性だとどちらが大変そう??
低学年チームはまだ6~9歳。性別の違いということについて、 深く困るようなことはないみたい。男の子だから、 女の子だからこうしなさいって言われることが少なくなってきてい るのかもしれませんね。
そこでお題を変えてみました。「大人の男性と女性だと、 どちらが大変そう??」
すると、率先してでてきたのは「大人の女性のほうが大変そう」。
「比較的(なんて言葉がでます!)、女性のほうだと思う」
「だって仕事しながら子育てもしないといけないから」
「ごはんつくったり、掃除したりしないといけない」。
すると女性のファシリテーターからこんな言葉が。
「私は子どもが生まれるまえはずっと男の子になりたかった。 でも、子どもが生まれたら女でよかったなって思った」。
子どもたちから、今回初めて使ってみたQカードの提示が殺到 します。
「なんで?」 もっと「くわしく」…
その答えには、「子どもがうまれた瞬間に、体中が幸せになった」 。
「まじで?」「ちょー痛いんじゃないの?」
出産は痛いだけじゃないことへの気づきに、 男の子から素直な感想が出てきます。
そのあと、ある女の子から「わかる、その気持ち」。
…え?わかるの…?
話はもとにもどって、大人の男性と女性のどちらが大変か。
「大人の男性はそんなに大変ではないの?」
「男性は、朝から夜まで働かないといけないから大変」。
すると、先ほどと同じように、
「家事や子育てをする男性もいるよ」
「仕事をたくさんしている女性もいる」。
「どちらが大変かなんていいきれない」
と、こんなところで対話は終了。
今は働き方もライフスタイルも、それぞれの人・ 家族によってまったく異なります。
男性=〇〇、女性=△△、 と断定しきれない時代に入ってきたのだと、 子どもたちの語りの中から強く感じました。
そんな大人の姿を見ている彼らが、 どんなカタチの家族やライフスタイルをつくっていくのでしょうね 。
(記録者:川上)
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