Go To Montain

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日経新聞(全国版・夕刊)に記事掲載されました!



以下、全文引用です。前半は各学校での取り組み。後半に「こてつ」の記事が。
学校ではその学校の児童しか参加できないけれど、「こてつ」は和光市在住問わずどなたでも参加できます!

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小中学生も「てつがく」
「それって本当に当たり前?」対話で考える力養う
2017/6/23ースソース
日本経済新聞 夕刊
 当たり前と思われていることを対話しながら考え直す「哲学対話」が注目を集めている。201819年度に小中学校で正式な教科になる道徳で、自分の意見を述べたり周囲の意見を聞いたりして、道徳的な判断力や態度を養うことが期待されているためだ。一部の小中学校が先駆的に取り組んでいるほか、学校外に対話の場を設ける民間の試みもある。
 5月中旬のある日。お茶の水女子大付属小学校(東京・文京)6年の児童らは、2時間目になると中庭に移動して輪になって座った。始まったのは同校の独自教科「てつがく」の授業だ。
 対話のテーマは「タンポポの綿毛」。担任の河合紗由利教諭(32)が「タンポポの綿毛は優しい形だと思う?」と問いかけると、児童たちは「丸いから優しい」「形がはっきりしなくて優しく感じる」など様々に自分の考えを語った。

 河合教諭は意見をまとめることなく「綿毛は丸いの?」と問いかけた。すると「丸に見える綿毛は多くの種からなる集合体」との意見が出され、論点は「形とは何か」に移った。屋外で行ったのは「教室外の方が自由な意見が出やすい」ためだという。
 同校は文部科学省の研究開発校の指定を受け、15年度から「てつがく」の授業を始めた。3年生以上が年55時間の授業を受ける。3、4年生はテーマについて意見を述べ合うことで、他者の考えをしっかり聞く力や深く考える力を身につける。5、6年生は価値や事柄について多面的に考えて探求することや、相手の意見か疑問に対して自身の考えを伝える力を高める。
 「ただの雑談になるのを防ぐため、子供が深く考えるように対話を導くことが重要」。研究開発担当の片山守道教諭(54)は説明する。他教科では自信がなく意見を言わない児童も、哲学対話では自分の考えを話すことが多く、教師の側も子供を深く知る機会になるという。
 小学校で18年度、中学校では19年度から正式な教科となる道徳。文科省は「物事を多面的、多角的に考え、生き方についての考えを深める」などの目標を示し、指導では討論など言語活動を充実するとしている。その実践として、哲学対話に注目が集まっている。
 東洋大学京北中学校(同・文京)では1、2年生全員が毎週の道徳の時間に哲学を学ぶ。授業は併設の高校の教員が受け持つ。生徒が普段の教員との関係に縛られず、自由に発言できるよう工夫。さらに教員は年3回、受け持つクラスを交代する。対話の進め方などに教員の担当教科や個性が反映されやすく、相性が合わない生徒が興味を持てないことがあるためだ。
 5月中旬。1年1組の生徒は扱いたいテーマをホワイトボードに書き出し、多数決で「男子と女子のケンカの仕方はなぜ違うのか?」に決めた。対話はこの日が初めて。担当する石川直実教諭(39)は「人の発言をちゃかさない」「人に無理やり話させない」といったルールなどを説明した。
 対話が始まると「そもそも男女でケンカの仕方が違うのは本当か」「ケンカの原因が男女で違う傾向にあるのでは」など盛んに意見が出た。「人の話を聞くうちに自分の考えが変わったり、別の疑問が生まれてきたりして面白い」と生徒の占野理子さん(12)。
 こうした対話の場は学校外にも生まれている。埼玉県和光市の任意団体「こてつ」は同市内のコミュニティーカフェで、小学生向けのイベントとして始めた。


 5月にあった1回目のテーマは「なんでべんきょうしなくちゃならないの?」。簡単な遊びで緊張をほぐした後、低学年と高学年に分かれ、それぞれ10人が円座を組んだ。
 低学年では「勉強は大人になって困らないため」「理科は何かの役に立つ?」といった意見が出た。高学年になると「ゲームは勉強になりうるか」「勉強と学ぶことは違うの?」といった問いが飛び出し、どちらも初対面同士とは思えないほど議論が白熱した。
 小3の息子と訪れた松元久乃さん(47)は「発言しなくても同世代の子の意見に刺激され、思考を深めてくれれば」と参加の動機を話す。こてつ代表の池田崇さん(42)は「どんな子でも深く考える面白みを味わえるし、慣れると話し合う楽しみも覚える」と哲学対話の魅力を語った。
(ライター 仲尾匡代)




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